Flower~君の美しい記憶の中で今日も生きていたい~

高校は正直どうでもいいけど、大学に行きたかった。大学に行けば私も彼らみたいにキラキラ輝けるのかな、と思ったんだ。

こんな自分を変えれるんじゃないかって。人生変えられるチャンスかも、と。


机を蹴飛ばした女の子が何か言おうとした時にタイミングよく担任の先生が入ってくる。女の子は舌打ちをして席に戻る。


HRが始まって私はようやく平穏にありつける。空を見れば曇天で、雨が降りそうだった。


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放課後、またあの家に帰らなきゃ行けないと憂鬱な気分だった。けれど今はそんな場合じゃない。


「あんたさ、この古臭いキーホルダーなんなの。だっさ」


朝に机を蹴飛ばした同級生が私のリュックに付いていたうさぎのキーホルダーを引きちぎった。


「それは私のお母さんが作ってくれたやつなの！！返してっ！！」


「お母さんって……そんなに昔のやつまだ大切にしちゃって！！ちょうどいい、私が捨ててやるよ！！！！」


こうしてね！！と彼女はうさぎを床に叩きつけるとぐりぐりと踏み潰す。


「あっ、ああ……お願い、やめて……」


膝をついて彼女の足からうさぎを救い出そうとすれば、今度は私の顔が蹴飛ばされる。そしてぐちゃぐちゃになって無惨なキーホルダーを彼女は摘むとポイと雨が降り頻る外へと投げ捨てた。