私を導く魔法薬
森の入口で
「気付いたのはこのあたりなの?」
二人は周りを見渡しながら森の入口にやってきた。
「そうだ。しかしもうどうにもならなかった。勝手に自分の周りに吹雪を起こしたまま彷徨うしかなかったんだ…」
彼の状況はまるで自分のよう。
自分の境遇のせいで、誰もが自分から離れていく…
彼がどんなに一人に慣れていようと、その状況では誰も近寄るはずはない。
大体の者は先程の証言のように、巻き込まれたくはないと彼を避ける。
しかし血気盛んなものからすれば、敵意を持たない相手でも攻撃をしてくることも十分に考えられる。
彼の記憶が戻らないため本当のところはわからないが。
ダリアはかつて他の者にされた仕打ちを思い出した。
「…運が悪くなくて、本当に良かったわ…」
「?」
彼女の呟きに、彼は首を傾げた。
突然、吹雪が巻き起こりどこからともなく男の声がする。
『遅かったな』
「誰!?」
ダリアは辺りを見回す。しかし彼は彼女の前にスッと進み出、警戒しながら持っていた剣の柄にそっと手を掛けた。
『娘の騎士気取りか?無理もない。もう洗脳も解けているようだからな。ご苦労だった、もう一度氷の兵に変えてやろう』
何の感情も見えないその言葉に彼女は怒りを覚えた。
「ふざけるんじゃないわ!あんたのせいね?彼がこうなったのは!!」
ダリアは感情のままに声を張り上げる。
「魔女…!」
剣士が彼女を制した。
『目的はお前だ、魔女ダリア。その男はただの人形。後で氷の番兵に戻してやる。さあこちらへ』
二人は周りを見渡しながら森の入口にやってきた。
「そうだ。しかしもうどうにもならなかった。勝手に自分の周りに吹雪を起こしたまま彷徨うしかなかったんだ…」
彼の状況はまるで自分のよう。
自分の境遇のせいで、誰もが自分から離れていく…
彼がどんなに一人に慣れていようと、その状況では誰も近寄るはずはない。
大体の者は先程の証言のように、巻き込まれたくはないと彼を避ける。
しかし血気盛んなものからすれば、敵意を持たない相手でも攻撃をしてくることも十分に考えられる。
彼の記憶が戻らないため本当のところはわからないが。
ダリアはかつて他の者にされた仕打ちを思い出した。
「…運が悪くなくて、本当に良かったわ…」
「?」
彼女の呟きに、彼は首を傾げた。
突然、吹雪が巻き起こりどこからともなく男の声がする。
『遅かったな』
「誰!?」
ダリアは辺りを見回す。しかし彼は彼女の前にスッと進み出、警戒しながら持っていた剣の柄にそっと手を掛けた。
『娘の騎士気取りか?無理もない。もう洗脳も解けているようだからな。ご苦労だった、もう一度氷の兵に変えてやろう』
何の感情も見えないその言葉に彼女は怒りを覚えた。
「ふざけるんじゃないわ!あんたのせいね?彼がこうなったのは!!」
ダリアは感情のままに声を張り上げる。
「魔女…!」
剣士が彼女を制した。
『目的はお前だ、魔女ダリア。その男はただの人形。後で氷の番兵に戻してやる。さあこちらへ』