私を導く魔法薬
魔人の言葉に、ダリアの目は怒りのあまりに煌々と輝き出す。
炎の精も赤い炎はさらに熱さを増した青に変化し、怒ったように両腰に手を当て肩をいからせた。
彼女は無意識のうちに炎の精の魔力を解放し、魔人を炎の輪で取り囲んだ。
「ふざけないでっ…!!早く彼を離しなさい、そして謝って!!」
強くなっていく炎に魔人は慌て、起こしていた吹雪は弱まっていく。
その時、その様子を銀の鎖に体を取られたまま黙って見守っていた彼が叫んだ。
「ダリア…!抑えろ、森が…お前の愛する森が燃えてしまうぞ…!!」
「!?」
ハッと気付く。
炎の精に魔人を足止めする輪の炎を慌てて弱めさせ、気持ちを落ち着かせてからもう一度魔人に言った。
「…もう一度言うわ、彼を離すのよ!」
『だ、ダリアが、我のものにぃっ…!』
彼女は呆れ、仕方無く最後の手段。
息を吸い込み、自分の想いをありったけ魔人に向かってぶつけた。
「…悪いけど私、『彼』が気に入ったの。お前に囚われた、あそこにいる剣士の彼がね。彼は何も悪くないわ、お前に利用されてしまっただけだもの。だから私はお前が許せないだけなのよ!」
もちろんこの言葉は本心からだったが、今まで自分の中に芽生えたことのないものがあることに彼女は気付かなかった。
彼女の中では一か八か、魔人をさっさと諦めさせるため。
『なにっ!?』
狼狽える魔人に彼女はさらに畳み掛ける。
「彼は人間?精霊?魔族や、お前みたいな魔人と違って頭でっかちじゃないみたいだし、仲良くするならもってこいじゃない?」
さすがにこれは魔人にも堪えたらしい。
『だ、ダリア…我のダリアがぁぁ…!!』
頭を抱える魔人は悔しそうに顔を歪め、一声叫んで再び吹雪を起こすとそのまま消えていった。
「あっ、待ちなさいよ!!」
彼女が気付いた時にはもう遅く、魔人は跡形も無かった。
炎の精も赤い炎はさらに熱さを増した青に変化し、怒ったように両腰に手を当て肩をいからせた。
彼女は無意識のうちに炎の精の魔力を解放し、魔人を炎の輪で取り囲んだ。
「ふざけないでっ…!!早く彼を離しなさい、そして謝って!!」
強くなっていく炎に魔人は慌て、起こしていた吹雪は弱まっていく。
その時、その様子を銀の鎖に体を取られたまま黙って見守っていた彼が叫んだ。
「ダリア…!抑えろ、森が…お前の愛する森が燃えてしまうぞ…!!」
「!?」
ハッと気付く。
炎の精に魔人を足止めする輪の炎を慌てて弱めさせ、気持ちを落ち着かせてからもう一度魔人に言った。
「…もう一度言うわ、彼を離すのよ!」
『だ、ダリアが、我のものにぃっ…!』
彼女は呆れ、仕方無く最後の手段。
息を吸い込み、自分の想いをありったけ魔人に向かってぶつけた。
「…悪いけど私、『彼』が気に入ったの。お前に囚われた、あそこにいる剣士の彼がね。彼は何も悪くないわ、お前に利用されてしまっただけだもの。だから私はお前が許せないだけなのよ!」
もちろんこの言葉は本心からだったが、今まで自分の中に芽生えたことのないものがあることに彼女は気付かなかった。
彼女の中では一か八か、魔人をさっさと諦めさせるため。
『なにっ!?』
狼狽える魔人に彼女はさらに畳み掛ける。
「彼は人間?精霊?魔族や、お前みたいな魔人と違って頭でっかちじゃないみたいだし、仲良くするならもってこいじゃない?」
さすがにこれは魔人にも堪えたらしい。
『だ、ダリア…我のダリアがぁぁ…!!』
頭を抱える魔人は悔しそうに顔を歪め、一声叫んで再び吹雪を起こすとそのまま消えていった。
「あっ、待ちなさいよ!!」
彼女が気付いた時にはもう遅く、魔人は跡形も無かった。