【設定③】ずっと隣にいてほしい。
プロローグ
プロローグ
母が亡くなった。
中学三年生に進級するタイミングで、持病が悪化して寝込んでいたお母様は急変して……死んでしまった。人ってあんな、あっさりといなくなってしまうんだなって思った。
そして、私は中学三年生の受験シーズン真っ只中。
「……よし、本邸に行くわ」
「では、ご一緒いたしましょう。愛結お嬢様」
私は、四宮愛結。誰もが知る四宮家の長女だが、訳あって本邸ではなく離れで暮らしている。
「ねぇ? わかってくださるかしら……お父様は」
「そうですね。可能性はありますが、旦那様は愛結様がいないと何もできませんからねぇ」
「そんなこと、本邸では言っちゃダメよ?」
一緒についててくれるのは、執事のキリシマという男だ。お母様の専属執事だった人で今では私に支えてくださっている。
「わかっておりますよ、お嬢様」
離れから本邸に入ってお父様のいる書斎に向かう。本人は大した仕事はしていないくせに偉そうにふんぞり返っているのだろうと想像していると書斎についてしまった。キリシマが扉をノックすると返事が返ってきて部屋に入る。
「……珍しいな、愛結がくるとは」
「はい、お父様。お話があって参りました」
――私は櫻乃学園に行きたいです。
母が亡くなった。
中学三年生に進級するタイミングで、持病が悪化して寝込んでいたお母様は急変して……死んでしまった。人ってあんな、あっさりといなくなってしまうんだなって思った。
そして、私は中学三年生の受験シーズン真っ只中。
「……よし、本邸に行くわ」
「では、ご一緒いたしましょう。愛結お嬢様」
私は、四宮愛結。誰もが知る四宮家の長女だが、訳あって本邸ではなく離れで暮らしている。
「ねぇ? わかってくださるかしら……お父様は」
「そうですね。可能性はありますが、旦那様は愛結様がいないと何もできませんからねぇ」
「そんなこと、本邸では言っちゃダメよ?」
一緒についててくれるのは、執事のキリシマという男だ。お母様の専属執事だった人で今では私に支えてくださっている。
「わかっておりますよ、お嬢様」
離れから本邸に入ってお父様のいる書斎に向かう。本人は大した仕事はしていないくせに偉そうにふんぞり返っているのだろうと想像していると書斎についてしまった。キリシマが扉をノックすると返事が返ってきて部屋に入る。
「……珍しいな、愛結がくるとは」
「はい、お父様。お話があって参りました」
――私は櫻乃学園に行きたいです。
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