キミの翼が羽ばたく時。
「早く起きねぇと学校遅れっぞ!」
そう言うとお兄ちゃんは私の布団をはぎとって、部屋を出ていった。
「………」
新しいお兄ちゃんなのに、もう慣れたみたい。
ちょっと新鮮みがないなぁ。
私はそんなことを考えながら着替えをすませると、部屋を出た。
私の制服は、しわ一つなく、ピッシリとアイロンをあけられていた。
「!」
そこにはお兄ちゃんの制服に着替える姿があった。
「ゴハンできてるから食えよ~」
「自分の部屋で着替えなよ~」
私はお兄ちゃんから目をそらしながら、半熟な目玉焼きに目をやった。
できたてで、湯気が出ている。
「美味しそう~!やった!お兄ちゃん料理上手~!」
私はそう言うと一口で目玉焼きをたべた。
お兄ちゃんが、一口!?といった顔で私をみていた。

「いってきま~す!」
私はそう言うと、マンションから出た。
お兄ちゃんは振り返り休日で、今日は休みなそうだ。

『自分だけ』のお兄ちゃんをもてて、自慢におもっていた。
もちろん、友達に自慢する気満々だった!

「里~!真子~!」
私は廊下で話している親友の二人に抱きついた。

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