キミの翼が羽ばたく時。
「うっわぁ!?どうしてそんなゲンキなの~いつもの事だけど。」
真子があきれた風に言う。
「いつもの事じゃないの、トクベツなの!」
私がもったいぶって言う。
1億円が当たったんだよ!と言うくらいの気持だった。
言いたくてムズムズして廊下で駆け足なんてしてしまっていた。
「トクベツ?彼氏でもできたの?」
里だけが楽しそうに聞いてくれる。

「彼氏…じゃないけど、マイ・ブラザーお兄ちゃん!」

二人がきょとんとしてから顔を見合わせた。
「え……お兄ちゃんって…何で!?」
「あのねあのね、私の離婚したお父さんの方についていってたお兄ちゃんなの!
昨日初めてあってね、すっごいカッコイイ人で、イケメンだし、優しくて、何でもできる~!」
私はさらに駆け足を早くして早口で叫ぶように言った。

「マジ!?兄弟なら、あたしにちょうだいよ。」
真子が男の話になるとキラキラした目で私を見る。
「冷たい人に私の王子はあげません~」
私が舌を出して言うと、真子はチッと舌打ちをした。

「よかったね!家族できてよかったね!」
里が目を潤ませながら喜んでくれた。
「うん……!」


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