キミの翼が羽ばたく時。

「じゃあ、参観日来てくれるね！」
参観日……
たしか、明々後日の体育参観日なんだ。
「今から練習頑張ってるもんね！」
練習とは、バスケのミニ大会のこと。
グループで競い合う、いわゆる発表会だ。
そのために私たちは毎日練習をしている。

…私のこと見てくれる人がいないと思って練習に力がはいらなかった。
でも、お兄ちゃんを呼ぼう！
お兄ちゃんに私の頑張ってる姿、みてもらうんだ！
もっともっと私のことしってほしいし、仲良くなりたいんだもん。
私だけのお兄ちゃんだもん。

私は、授業中も先生に当てられたのも気づかないくらいドキドキしていた。
早く家に帰って、お兄ちゃんにしらせたい！
お兄ちゃんに来て欲しい。
金曜日もお兄ちゃんは休みだったから、来てくれるよね！
そして放課後もらった参観日のプリントを胸に抱きながら私は走って家に帰った。
中三なのに子供って思うかもしれないけど、
今まで本当の意味で甘えれる人なんていなかった。

友達も、他の大切なものをもってた。
でもお兄ちゃんは、私だけのお兄ちゃん。

初めてできた家族！