キミの翼が羽ばたく時。
学校から出てしばらくすると、すぐにお兄ちゃんが角を曲がったのが見えた。
「お兄ちゃん!」
私はそう思い、お兄ちゃんを追いかけた。

「え……」
次の瞬間、私は固まった。
すごくキレイな女の人がお兄ちゃんの腕をつかんであるいてる。
そしてその会話も聞こえた。
「金曜日、どっかいかない?」
「おお、いいよ。じゃあ……」

そうだよ。
カンペキなお兄ちゃんに彼女がいないはずなんてない。
金曜日来てくれるなんて決まってない。

そうだよ。
私だけのお兄ちゃんじゃない。
私はただの妹。
遭ったばかりの妹。

一面に咲き誇った花が一気にしぼんだ気がした。
「お兄ちゃん……」

「……うああああん!!」
「うるさい!」
そう言ったのは真子。
ここは真子の部屋。突然真子の家に押しかけて泣いていた。
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