キミの翼が羽ばたく時。
「まだ聞いてないんだし、相手の約束断ってくれるかもしれないじゃん?」
「でも、女の人と約束してるお兄ちゃん、すっごく楽しそうだった。
参観日なんてヒマな授業みるだけのつまんないことじゃん!」
私はポロポロと涙をながしながら言った。

「もういいかげん帰れ!言わなきゃわかんないって言ってるでしょうが~!」
そう言うと真子き私の手首をつかんで家の人に出した。
「ちょっと待っ…」
「頑張んな!」
真子が勢いよく家のドアをしめる。
「ヴ~薄情者ぉ」
そう言うと私はトボトボと夕日の中、家へ帰っていった。

「ただいまぁ。」
私は玄関に入ると、肩にかけていたカバンをおろした。
「お帰り、遅かったね。」
翼がエプロン姿で走ってくる。
「?元気ないね。どうかしたの?」

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