キミの翼が羽ばたく時。
「何か目立ってる?」
お兄ちゃんがヒソヒソと私に言う。
「………」
私はしばらくの沈黙を挟むと言った。
「うんん!そ~んなこと無いよ!」
こっちこっち!と言わんばかりにお兄ちゃんの広い背中を押す。
お兄ちゃんが私の教室に入ると、やはりクラス全体がざわめいた。
「雫!もしかしてこの人が新しいお兄ちゃん!?」
真子が駆け寄る。
「うん!そうだよ。」
…真子は相変わらずイケメンには弱い。
「……か~っこい…」
真子がぽぉ~っとした瞳でお兄ちゃんを見る。
その視線にお兄ちゃんが気づくと言った。
「初めまして蓮美翼です。雫の…友達?」
「……はい…フレンドリ~……」
真子の言葉にこりゃダメだな。と思いながら私は教室から里を探す。