キミの翼が羽ばたく時。



今日は初デート(?)の日の夜。
私はお兄ちゃんの腕の中でひたすらテレビの画面から目をそらしていた。

「お兄ちゃん平気なの~? こんなの…」
「別になんともないけど。あ、やっぱ怖いんだろ?」
お兄ちゃんが、丸わかりだけど。って感じな笑顔を見せた。

「ぜんっぜん…怖くないよ~」
私はそっぽを向きながらでも、あまりの恐怖にお兄ちゃんの体から離れることができなかった。


「ハハッ」
お兄ちゃんは私の頭をなでると、立ち上がってテレビの電源を切った。
「あれ、見ないの?」
私がキョトンとした表情で言う。


「ん? まぁな。雫がよる眠れないと困るだろ?」



「………」


お兄ちゃんの優しさに、胸が温かくなる。



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