キミの翼が羽ばたく時。


「いだだだだだだ!!!」
私の朝は、そんな奇声を聞いたところから始まった。
「!? ど、どうしたのお兄ちゃんっ」
私が起きあがる。

そしてハッとして自分の寝癖を手串で直す。



お兄ちゃんはマクラに顔を埋めてふるえていた。
「ぉぃ、雫…お前無意識?」
寝起きのお兄ちゃんはマクラから顔をあげて言った。

そんなお兄ちゃんの瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。


「何が?」


私がキョトンとしてお兄ちゃんを見つめる。



「朝から股間グリグリで起こされたんだよ! お前にっ」

えっ…
と思って両手を見てみると、少し感覚が残っていることに気がついた。



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