キミの翼が羽ばたく時。


お兄ちゃんの態度からして、私のことを妹としか思ってないことはわかっていた。
だけどそれ以前に、二人でいれる幸せを感じた。


「お兄ちゃん、遅刻するよ~」
「おっおい、お兄ちゃんを見捨てるな~」


そんな感じに、私たちは今日も登校した。
「里、真子、おはよ♪」
私は廊下で話していた二人に後ろから抱きついた。

「あ、おはよ雫~」
真子が振り返ってあいさつをする。

「ねぇねぇ、この前のカッコイイ翼くん、どう?」
「…どうって?」
里の言葉に、首をかしげる。


「あんなかっこいい人といて、進展ないの?」
真子が身を乗り出すようにして聞く。
「え…その…」
私がちらりと目をそらす。

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