地味ダサ令嬢ローズの反撃 ~サラッと読める下克上短編~
 ローズの生家ハルモニア伯爵家は代々、王族を秘密裏に守護し、命令を遂行する【影の宮廷護衛官】の一族だからだ。

 王族などの要人の身辺警護をする際、護衛官は主に二種類に分けられる。
 
 一種類目はハイ・プロファイル――騎士服や甲冑などを身にまとい、あえて目立つ形で要人を守る警護官だ。

 そして二種類目はロー・プロファイル。
 市民や貴族などの一般人を装い、目立たない形で要人を守る。『影の護衛官』や『覆面警護官』とも呼ばれる者達だ。

 ハルモニア家は、後者の護衛官一族。


 『敵を欺くには味方から』という言葉通り、ハルモニア一族をはじめとした影の護衛官(ロー・プロファイル)の存在を知っているのは、王族のみ。

 ローズも幼い頃から、あらゆる武術の訓練や教育がほどこされ、今では一人の『影』として、ひっそりとルーク殿下にお仕えしていた。

 
 現在は、ルーク様の結婚相手に相応しい令嬢を調査するという密命を受けている。
 

 表向きは地味ダサ残念令嬢。本当は、影の宮廷護衛官。

 それが、ローズ・ハルモニアの秘密だった。


「ローズ、君はいつまでその見た目でいるの? せっかく愛らしい顔が、髪に隠れて見えないのは少し寂しいものがあるよ。それに、その格好をしていると周囲から色々言われるだろう?」
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