月華の陰陽師2-白桜の花嫁-【完】
(……んー。本当に黒って同年代との交流がなかったからなあ……)
小路内部では腫物扱いされているところもあるみたいだし、理由が理由だし、なんとも言えない。
普通に接してくれた同年代は國陽くらいだろうか。
(……國陽は國陽で感情の起伏がないから相手するの難しいんだよな……)
白桜がモヤモヤしていると、黒藤がずーんと沈んでいた。
「ごめん……華樹……」
式に言われてへこんでしまった。こいつは感情の起伏がありすぎる。
「いえ……」
華樹は華樹でいまだにびくついているし。
真紅はさらに頭抱えているし。
これどう収集つけりゃいいんだ?
「黒、涙雨殿見つけた件はこれで終わり。あとはお前が、涙雨殿が遠出しても大丈夫なようにしておいてくれ」
「うん……わかった」
「じゃあもう教室戻るぞ。真紅、大丈夫か?」
「あ……ごめん、白ちゃん……」
真紅を立ち上がらせて、教室へと戻ろうと足を向けた。
なんかもう疲れてきた。