【コミカライズ配信中】アデル~顔も名前も捨てた。すべては、私を破滅させた妹聖女を追い詰め、幸せをつかむため~
プロローグ
何もかもリセットして、別人として生き直したい。
そう、思ったことはないだろうか?
これは、妹に殺人の濡れ衣を着せられ、『罪人』として追放された令嬢の、愛と再生の物語――。
◇
こもれびが降り注ぐ昼下がり。
私、エスター・ロザノワールは、自室で旅行の準備をしていた。
「お姉様! 入りますわよ!」
ノックとほぼ同時に部屋へ入ってきたのは、一つ年下の妹・ミーティア。
「お姉様宛ての招待状を持ってきましたの!」
やけに上機嫌な妹が、封筒とペーパーナイフをずいっと差し出してきた。
嫌な予感がしたが、あまりの強引さに、私はそれらを渋々受け取る。
「あ、ありがとう……」
「さぁさぁ、早く開けて! はやく、はやく!」
私が右手でペーパーナイフを握った瞬間、いきなりミーティアが覆い被さってきた。
なに!? と叫ぶ間もなく、彼女が私の右手をつかみ、ナイフの切っ先を自分の腹部に向けて――突き刺した。
ぎゃあああっ、という尋常じゃない悲鳴が妹の口からほとばしる。
「たすけてーーッ!!! お姉様に、ころされるーーー!!!」
そう、思ったことはないだろうか?
これは、妹に殺人の濡れ衣を着せられ、『罪人』として追放された令嬢の、愛と再生の物語――。
◇
こもれびが降り注ぐ昼下がり。
私、エスター・ロザノワールは、自室で旅行の準備をしていた。
「お姉様! 入りますわよ!」
ノックとほぼ同時に部屋へ入ってきたのは、一つ年下の妹・ミーティア。
「お姉様宛ての招待状を持ってきましたの!」
やけに上機嫌な妹が、封筒とペーパーナイフをずいっと差し出してきた。
嫌な予感がしたが、あまりの強引さに、私はそれらを渋々受け取る。
「あ、ありがとう……」
「さぁさぁ、早く開けて! はやく、はやく!」
私が右手でペーパーナイフを握った瞬間、いきなりミーティアが覆い被さってきた。
なに!? と叫ぶ間もなく、彼女が私の右手をつかみ、ナイフの切っ先を自分の腹部に向けて――突き刺した。
ぎゃあああっ、という尋常じゃない悲鳴が妹の口からほとばしる。
「たすけてーーッ!!! お姉様に、ころされるーーー!!!」