【コミカライズ配信中】アデル~顔も名前も捨てた。すべては、私を破滅させた妹聖女を追い詰め、幸せをつかむため~
秘密の恋
「惚れさせる」という宣言どおり、翌日から怒濤の求愛が始まった。
王位継承争いに決着がつくまで、私達の仲は世間には秘密。
シリウスは「不便な思いをさせてすまない」と言うけれど、私は別に構わなかった。人目を忍んで夜にひっそり私の部屋で会うのも、秘密の恋って感じでドキドキするし。
(なかなか会えない分、毎日情熱的な手紙をくれるしね)
「お嬢様、本日も殿下からお手紙です」
今日も今日とて送られてきた手紙を、私は苦笑まじりで受け取る。
「もう、忙しいんだから、毎日じゃなくていいのに」
「あと、ドレスと装飾品も」と、ソニアがプレゼントを部屋に運び込む。
「また!? 体は一つなんだから、そんなに要らないって言ってるのに……」
「前回のは夜会用で、今回のは普段着と、婚約お披露目パーティ用だそうです」
「……気が早いわよ」
「愛されてますね、お嬢様」と、ソニアがにっこり笑う。
ほほ笑ましいとばかりに温かな眼差しを向けられ、恥ずかしくて照れくさい。
「こほん」と咳払いして手紙を開くと、丁寧な字で文章が綴られている。
王位継承争いに決着がつくまで、私達の仲は世間には秘密。
シリウスは「不便な思いをさせてすまない」と言うけれど、私は別に構わなかった。人目を忍んで夜にひっそり私の部屋で会うのも、秘密の恋って感じでドキドキするし。
(なかなか会えない分、毎日情熱的な手紙をくれるしね)
「お嬢様、本日も殿下からお手紙です」
今日も今日とて送られてきた手紙を、私は苦笑まじりで受け取る。
「もう、忙しいんだから、毎日じゃなくていいのに」
「あと、ドレスと装飾品も」と、ソニアがプレゼントを部屋に運び込む。
「また!? 体は一つなんだから、そんなに要らないって言ってるのに……」
「前回のは夜会用で、今回のは普段着と、婚約お披露目パーティ用だそうです」
「……気が早いわよ」
「愛されてますね、お嬢様」と、ソニアがにっこり笑う。
ほほ笑ましいとばかりに温かな眼差しを向けられ、恥ずかしくて照れくさい。
「こほん」と咳払いして手紙を開くと、丁寧な字で文章が綴られている。