【コミカライズ配信中】アデル~顔も名前も捨てた。すべては、私を破滅させた妹聖女を追い詰め、幸せをつかむため~
美貌の令嬢アデル・シレーネ
「エスター、どうしたの? なんだか元気がないみたい」
アデルの言葉に、私は思わず口ごもってしまった。すぐさま笑ってごまかすけれど、親友の彼女には通用しない。
「私には何でも正直に話すって約束したでしょ?」とアデルは表情を曇らせた。
「そう……だけど。全然楽しい話じゃないから」
「楽しくない話を気軽に出来るのが親友じゃない! ほぉら、白状しなさぁ~い!」
おどけた口調に、私は堪らず笑ってしまった。それを見たアデルが安心したように満面の笑みを浮かべる。
元気そうに振る舞っているけれど、実はアデルは重い病を抱えている。
苦しい治療の日々を送っている彼女を、愚痴や悩み事に付き合わせたくなかった。大好きな親友には一分一秒でも幸せに暮らしてほしい。
そんな私の気持ちも、やはりお見通しなのだろう。アデルは私を抱きしめて言った。
「エスター、あなたはとても優しい人よ。私に『友達になりましょう』って言ってくれた。会いに来てくれるのも。外の話をたくさん語って聞かせてくれるのも、全部あなただけ。……ねぇ、私たちが最初に出会った日のこと、覚えてる?」
「もちろんよ。忘れる訳ないわ」
アデルの言葉に、私は思わず口ごもってしまった。すぐさま笑ってごまかすけれど、親友の彼女には通用しない。
「私には何でも正直に話すって約束したでしょ?」とアデルは表情を曇らせた。
「そう……だけど。全然楽しい話じゃないから」
「楽しくない話を気軽に出来るのが親友じゃない! ほぉら、白状しなさぁ~い!」
おどけた口調に、私は堪らず笑ってしまった。それを見たアデルが安心したように満面の笑みを浮かべる。
元気そうに振る舞っているけれど、実はアデルは重い病を抱えている。
苦しい治療の日々を送っている彼女を、愚痴や悩み事に付き合わせたくなかった。大好きな親友には一分一秒でも幸せに暮らしてほしい。
そんな私の気持ちも、やはりお見通しなのだろう。アデルは私を抱きしめて言った。
「エスター、あなたはとても優しい人よ。私に『友達になりましょう』って言ってくれた。会いに来てくれるのも。外の話をたくさん語って聞かせてくれるのも、全部あなただけ。……ねぇ、私たちが最初に出会った日のこと、覚えてる?」
「もちろんよ。忘れる訳ないわ」