わたしのスパダリな婚約者〜番外編〜
クリス様のような人の婚約者になることができて、そしてお互いを思える関係を築くことができた。まだ実感は湧かないけれど、確かにわたしはクリス様に愛されていて、わたしもクリス様のことを思っている。自覚したのは最近だけど、きっとずっと前から……
口にするのはまだ恥ずかしいのだけど、たくさんの言葉を贈ってくれた婚約者をわたしも見習うべきなのだろう。
「クリス様、」
すぐそばにあった綺麗な顔にそっと顔を近づけて囁く。
「心から、お慕いしています…」
すぐに顔を背けて平静を装うけれど、赤くなるのは見逃してほしい。前世も内気で恥ずかしがりやな国民性だったのだもの。
「〜〜〜〜、っ?!!それは、反則だろう、……!!」
こちらも顔を赤く染めて珍しくも余裕のなさそうな照れた表情の婚約者の姿に思わず声を出して笑ってしまう。
わたしは本当に幸運で、幸せ者だなぁと友人達の笑い声を聞きながらその幸福に感謝した。
fin