香道部の佐山くんに初めての恋をしました。
◇佐山くんのお家へ
それから数日後の日曜日。
「ねぇ、香花。本当にこの格好で良かったのかしら」
「うん。佐山くんは大丈夫って言っていたけど……靴下が白なら」
今日は、佐山くんのお家――佐山流香道家のお屋敷へ行くことになっている。
私は、まだ入部前だとはいえ学生として行くので制服を着ているが……お母さんは制服なんてないのでキレイめのワンピースを着ていた。
家から佐山くんのお家まではバスに乗り込んで学校とは反対方向へ行くと二駅で降りた。するとバス停近くにいたのは高田先輩だった。
「星野さん、こんにちわ。……初めまして、星野さんのお母様。僕は、香道部で部長を勤めております高田と申します」
「あ、ご丁寧に……こちらこそ香花がお世話になっています」
「こちらこそ。では、お屋敷に一緒に行きましょう」
高田先輩の後ろを付いていき連れられてこられたのはザ・日本家屋という感じのお屋敷……いや豪邸だった。