香道部の佐山くんに初めての恋をしました。



 ***


「……じゃあ、行ってくるね!」

「うん。晴れて良かったわね〜行ってらっしゃい、香花」


 毎日続いていた雨がウソのように快晴な金曜日。金曜日だけど、制服じゃないのは今日が学校の授業ではないからで……待ちに待った遠足である。

 私はルンルンで集合場所の学校へ行くためにバスに乗った。バスに乗ると、出勤ラッシュだからか人がいっぱいだ。


「今日は座れそうにないなぁ」


 そう呟くと「星野さん」と声をかけられる。


「あ、佐山くん。同じバスだったんだね、うれしい」

「うん。俺も嬉しい……今日の格好、可愛いね」

「えっ、ありがとう。佐山くん。そういえばバスも隣だよね」

「そうそう、だからよろしくね」


 学校に到着して集合場所であるグラウンドへと佐山くんと向かった。グラウンドでは、生徒がいっぱい待っていてバスも並んでいた。

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