クールな黒淵くんは甘い。
「私もついに柚衣を『姐さん』って呼ぶ日がくるのか〜。も総長はやく『兄貴』になってほしいって言ってたし。」
「ちょっ、まだ告白も、付き合ってもないんだけど!!」
私の学園にはちょっと変わった制度がある。
それが毎年、生徒により投票制で選ばれる『学年別ベストカップル賞』だ。
選ばれたカップルは『兄貴』『姐さん』の称号が与えられる。
加えて、カップルには一億円の授与と、送迎が運転手付きの白いベンツになる。
鉛筆で設計図を書きながら、アキちゃんはそういえばと口を開いた。
「確かうちの学年、去年はどのカップル選ばれなかったんだよね。」
「うん。去年は白紙で投票する人がかなりいたらしくて。」
「去年は黒淵くんが入学してきたからね。黒淵くんしか認めないって子弟子が多かったのかも。」
「あー……そうなのかもね。」
黒淵くんは大親分の息子だからというのもあるけどクールだけどカリスマ性があり、彼を慕う人が多い。
うちの学園は尊敬する人を慕う子弟子の文化がある。SSSメンバーなんて特に沢山の子弟子がいる。