クールな黒淵くんは甘い。
「あれ、ねーさんじゃーん。」
「白瀬くん………。…私、姐さんじゃなよ。」
翌日私は委員長に頼まれた書類をSSSに渡すため、SSS室に来ていた。
そこに居たのは、アキちゃんの彼氏、蒼くんと、白瀬くん、そして、奥には黒淵くんがいた。
「ねーさん、最近調子どう?」
「普通です。」
「そっかー。」
白瀬くんはふわふわした白い髪で、耳に黒淵くんと同じピアスをした無気力系男子。
今年の4月に特待生コースで進学してきた一年生なのだが、初めて会った時から私が黒淵くんが好きだと気づいていたことを、つい最近に聞かされた。
「それにしても、すごい雨だね。」
「そうだね。この季節なのに珍しい。」
「学園祭の日も雨降んないと良いんだけど。」
「花火見れなくなっちゃうもんね……。」
「ありゃ、黒淵総長、秋華ちゃんと話さないの?」
先輩なのに、ちゃん呼び…なのはおいておいて、私が好きなの知ってるからと黒淵くんと絡めるのはやめてほしい。