クールな黒淵くんは甘い。
君は甘い
「いやー、長かったですねえ、兄貴。」
「黙れ白瀬。」
花火大会後、私のクラスは優勝した。
さらに今日の終業式、私と黒淵くんはベストカップに選ばれた。
後から、春華さんと手を繋いでいたのは、春華さんから彼氏のふりをしてほしいと頼まれたことを1から全て、冷くんに教えてもらった。
表彰後の帰り道、反対から歩いてくる白瀬くんと遭遇したのだ。
「白瀬くんと会うのも今日で最後だね。」
なんと白瀬くんは一年間の編入という契約だったらしい。
「まあ…ねーさんとはそのうち会えますよ。」
黒淵くんと同じピアスを揺らしながら白瀬くんは無気力な顔を少し意地悪くした。
「それってどういう…、」
「白瀬」
聞こうした瞬間、黒淵くんが白瀬くんを制する。
はーいなんて適当な返事をしながら、彼はじゃーねと通り過ぎた。
「……じゃーね、義姉さん。」