クールな黒淵くんは甘い。

私は昨日あったことをアキちゃんに話した。

途中半泣きになり、自分でも何言ってるか分からなくなりながらも、アキちゃんは頷きながら聞いてくれた。そして、


「いやーー。嫌われたってことはないと思う。」


「な、なんでよ!!」


「そりゃあ、女の勘?」


「ええ……、でもここで嫌われたら私、失恋確定だよねぇ…。」



「まあたしかに36回も巻き込まれる柚衣もどうかと思うけど…、意外に黒淵くん柚衣のこと好きだと思よ。」


「ほ、ほんとに…?」


「うん。」

そう……のかな?

あれだけ冷たい目で見られたのに、友達にそう言われてにやけるなんて、自分はホント単純でアホでバカだと思う。

恋する乙女は盲目なんです。


ニヤける私を見てニヤけるアキちゃん。なんだこのループは…。


「よし、柚衣も元気出たこと出し1校時目体育だから、着替えに行こ!」

「私を元気づけるために適当に言ったとかないよね…!?」

まあそれでも嬉しいんだけどね。


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