麻衣ロード、そのイカレた軌跡❺/二つの情念、炎上す
火の玉河原決戦カウントダウンへ…③/非情の夜
火の玉河原決戦カウントダウンへ…③/非情の夜

その1
麻衣



プルルーン、プルルーン…

はは…、この時間じゃ祥子だな

「もしもし…」

「ああ、麻衣…。津波だ」

ビンゴだったわね


...


「…今、終わったぞ」

「早かったわね。あんた…、手抜きして早じまいにしたんじゃないでしょうね?(笑)」

「アホ!二人とも昨日のケガでダウンだよ、さすがに」

「はは…、リエに言ったら喜ぶかもね」

「あのな…、矢吹と湯本は這ってでも火の玉に出張る気構えだったぞ。…あんな二人にはさ、正面から挑んでやりゃあよかったじゃねえか。勝ち負けは別にしてよう…。はっきり言って気の毒だった。私だって気分悪いって!」

「祥子…、あの二人と荒子さんは他のメンバーと切り離さなきゃ、今夜、私たちの持って行き所は阻止されると見たんだ。あんたの話聞いて、私の判断が間違ってなかったと確信したわ」

「お前ねえ…」

祥子め…

ナイスガイぶり、ますますじゃん(苦笑)


...


「ところで、アンタ…、静美の方は伝えてくれたんだろうね?」

「これからだ」

「ちょっとー、祥子…。ひょっとして、ためらってるのー?」

「当たり前だろ。相変わらずの悪趣味だ。…なあ、やめたらどうだ?」

「やだよーだ!」

「お前…、クスリやってんのかよ!」

「やってないよーだ!」

「ふう…、これから火の玉で大一番控えてるってのに…。何もよう、廃倉庫で余分なことまでしなくてもいいだろーが。ここまで持ってきたんだしよう…」

「祥子…、廃倉庫では二つだよ、私的には。まずは狂犬娘との”今日”の決着。…それに対しての”返答”はさ、後日、真正面から受けるつもりだ。この後の”儀式”は、それの必要不可欠な要件って訳。で、久美と静美は今後を見据えてのことさ。今は無理でも、私のそばに居続けたいんであれば、じゃあ出来っかよ、ここまでってね…。絶好の機会じゃん」

「どう考えても、悪趣味以外の何物でもないって。まあ、静美は行かせるが、私はこういう行為には反対だからな。今後ともな」

私はこの時…、ふと感じたよ

今夜の結果で南玉連合が今後、どういう形に進もうとも、津波祥子は”新生”南玉連合の背骨になるだろうと…






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