笑わぬ聖女の結婚~私の笑顔を見たいがあまり、旦那さまがヤンデレ化しています~
四、聖女失格
四、聖女失格
ホリッカ神山が爆発したのはその夜のことだった。王国中の聖女が、これ以上に被害が拡大しないよう祈りを捧げた。もちろんアリッサもだ。もうなんの役にも立てないかもしれないけれど、寝食を忘れて残るパワーをすべて使った。
聖女たちの献身の甲斐あって、ホリッカ神山の噴火は最初の爆発のインパクトから考えるとずっと少ない被害で済んだ。
祈りの塔から二日ぶりにおりてきたアリッサをリシャールが出迎える。
「アリッサ!」
「……リシャールさま」
力を使い果たしたアリッサは彼の胸に倒れ込んだ。そのまま丸三日、コンコンと眠り続けてしまったようで、目が覚めたときにはリシャールのベッドに寝かされていた。
「アリッサ、アリッサ!!」
アリッサの顔をのぞき込んでいるリシャールは、大病でも患ったかのようにげっそりした様子だった。アリッサをゆっくりと上半身を起こし、彼を見つめる。
「――リシャールさま。眠っていないんですか? ひどいお顔」
ホリッカ神山が爆発したのはその夜のことだった。王国中の聖女が、これ以上に被害が拡大しないよう祈りを捧げた。もちろんアリッサもだ。もうなんの役にも立てないかもしれないけれど、寝食を忘れて残るパワーをすべて使った。
聖女たちの献身の甲斐あって、ホリッカ神山の噴火は最初の爆発のインパクトから考えるとずっと少ない被害で済んだ。
祈りの塔から二日ぶりにおりてきたアリッサをリシャールが出迎える。
「アリッサ!」
「……リシャールさま」
力を使い果たしたアリッサは彼の胸に倒れ込んだ。そのまま丸三日、コンコンと眠り続けてしまったようで、目が覚めたときにはリシャールのベッドに寝かされていた。
「アリッサ、アリッサ!!」
アリッサの顔をのぞき込んでいるリシャールは、大病でも患ったかのようにげっそりした様子だった。アリッサをゆっくりと上半身を起こし、彼を見つめる。
「――リシャールさま。眠っていないんですか? ひどいお顔」