同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
大和が私を路地に引っ張り込んで、私を抱きしめた。
「……何言ってんだよ。大丈夫だ。そんなつもりじゃない。泣くなよ」
私は自分が泣いていることにも気付いてなかった。
大和は私の頬に流れる涙を拭いながらキスをする。
「大和。大好きだよ」
「馬鹿。こんなとこでそんなこと言うな。もう少しでマンションだから黙ってろ。俺だってこんなとこで盛りたくない」
「……もう、お猿さんはダメだよ」
私が涙目で笑う。
「誰が俺を猿にしてるんだ、お前だわ。反省しろ、猿回し」
ふたりで大笑い。こんな毎日があと二日。
私達は自分達を待ち構える思いもしない今後なんて、その時は考えもしてなかった。