同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
「その後、篠田の方が課長を振ったという話が噂で流れた」
「え?」
「実はあっという間に課長から別れ話が出てたらしい。でも本当のことは皆知らず、逆の噂が流れてた。直属だったのもあるから、無難に別れたかったんだろうな。それに課長もモテるしすぐにそんな話忘れられてたんだ。同期会に来た篠田がベロベロに酔ったことがあった。みんな、別れたせいで篠田が荒れてると思って、ひとりで飲ませてた。俺はあいつに全く興味が無かったんでな、隣で話を聞いてやったら、課長が東京へいずれ戻るから別れたというのが本当だったらしい」
腕組みをしながら上を向く里崎さん。
「別れて欲しいとはっきり言われたらしい。でもそれだと篠田が可哀想だから課長がフラれて別れたことにしようと言われたそうだ。どうして別れたいのか聞いたら、東京に戻りできればあちらで結婚したいと言ったそうだ。課長の実家は東京なの知っていたか?篠田は入社してまだ三年目になるかならないかの時期だ。職域指定の関西勤務だったしな」