同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 「ここだけの話にしてくれ。実は、篠田が精神的に不調らしい。営業先でセクハラじみたことがあって、それ以降らしいんだ。大和は助けてやれなかったと言って自分を責めてた。篠田は仕事休めばいいんだろうが、あいつもそれなりに仕事を抱えていてなかなか難しいのと、会社に知られたくないから薬で紛らわしているらしい」

 驚いた。まさか、あの強い女性がそんなことあるんだ。

 「本当なのそれ?信じられない」
 
 紀子は鼻息荒く言った。
 
 「まあ、女性初の課長職。少し早かったしな。裏で色々言われているのも知ってたし。同期でも色々言われてる」
 
 「だからって。田村も結局夏休み東京へ来なかったじゃん。紗良には忙しいと言ってばっかりで……結局篠田さんをひとりにしておけないからなの?」
 
 「……」
 
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