同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「……お前達、ちょっと黙ってろ。後は俺たちで話し合うから」

 そう言って、サブリーダーの橘君がすべてやってくれたのだ。
 
 その犬猿の仲の私達が、なぜか同じ部署へ配属になり、一年後には担当営業と事務となり、そのしばらく後には付き合うなんて。
 
 誰が想像した?

 ……半年後配属になった。

 「ねえ、田村君。だから、この鍋は絶対冬料理向きなの。それで、こっちは夏も使えると思うの」
 
 「うるさいな、お前は俺の見積り作ってればいいんだよ。どう売るかは俺にかかってんの」

 「だって、あんたが売ってくれないと私の成績も上がらない。一蓮托生なのよ。あんたの成績がもう少しでこの部のベストスリーに入りそうなんだから。今季の新人賞も狙える位置につけてるの。頑張ってもらわないとボーナスであの新作バッグが買えない」
 
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