同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 私は何も言えず、ただ座っていた。
 
 「紗良?大丈夫?もう、サトちゃん。紗良かわいそうだよ」
 
 「……吉崎。ごめんな」
 
 「なんで、里崎さんが謝るの?いつも気にしてくれてすみません。そうだったんですね。ようやくわかりました。大和は罪悪感かなんか知りませんけど、プライベートも結局助けているんですね、篠田さんのこと」
 
 とげのある言い方になってしまう。
 
 「吉崎。なんか言われたのか?プライベートも一緒とか?」
 
 「そうなの?紗良」
 
 「実はゴールデンウィークに篠田さんから大和のいないところで声をかけられて、宣戦布告されてるんです。いずれ大和は自分のものにするって」
 
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