同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
「なんなんだよ、紗良。いくらなんでもひどくないか……」
私は黙って、台所に行き、コーヒーを入れはじめた。
お湯の沸く音、コーヒーの香り、それしか音がしない。
テーブルの前に座る大和にコーヒーを出した。
腕を捕まれた。
「紗良。何か言いたいことがあるなら言ってくれ。何も言わずにそんな態度はやめてくれ」
「先週から今日まで。誕生日前なのに……大和から何の連絡も来なくて。忘れてるとは思いたくなかった。それに忙しいのはわかってたけど、もう結構疲れてしまって……」
「紗良。実は篠田さんが夏休みくらいからうつ病で仕事を代わってやったりして余裕がなくて。言い訳だな。ごめん、本当に。きっとまた色々誤解してるんだろ?」