同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「さすが、紗良。俺が好きになった女だな。自分をしっかり持っている。俺、お前のこと忘れるなんて恐らく無理だ。待っていろとは言わないが、必ず帰る。お前を泣かせてきた分、もっと早く帰るから」

 「うん。わかったよ。身体気をつけて仕事してね。無理したらだめだよ。部屋はきれいにして、ご飯作るんだよ」

 「紗良。まるで、単身赴任の夫を送り出す妻の台詞だぞそれ」

 「うん。今はそういう気持ち。明日までは大和の彼女でいるから……誕生日からはじまったでしょ、私達。お開きも明日からにしようよ。わかりやすいからさ」

 「そうか。そのほうがお前らしくいられるんだな。紗良の好きなようにしろ。ただし、別れても俺は変わらないから」

 その夜は、私の作るご飯を美味しそうに食べる大和を見ながら、たわいもない話をして過ごした。
 
 久しぶりだった。ふたりのこういう時間。
 
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