同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「他人じゃないよ。親友と恋人の間にいるからね」
 
 「紗良。うまいこと言うよな。その言葉忘れるなよ」
 
 「早く行きなよ、間に合わなくなる」
 
 「はいはい。奥さん。お前も身体気をつけろよ」
 
 「今日までだからね」
 
 「分かったよ」

 そう言うと、大和は荷物を放って突然抱きしめ、深いキスをした。
 
 拒まなかった。膝が折れるくらいのキスだった。
 
 大和の気持ちが全部入っていた。
 私も今ある気持ちをこのキスに込めた。

 バイバイ、大和。
 翌日から、私達はただの『特別仲の良かった同期』に戻った。
 
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