同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
彼女の部屋だ。
休みの日買い物に付き添い帰ってきたところだった。
そう、付き合ってもいないのにここまでするなんておかしいだろう?
なのに、断ると様子がおかしくなる。
病気だと気づいてからは、自分なりにその病気を調べて刺激しない方がいいとわかってこういうことになった。
だが、いくら抱きつかれても、何されても、俺は彼女に応えたことはない。同僚という線の中にいる。絶対にその線を越えないと決めている。大体、越える気になったこともない。
別れても俺には紗良がいる。物理的に別れたが、俺の心はいまだあいつひとりのものだ。
あいつを裏切ることだけは絶対にできないし、するつもりはない。
「あの人の名前は出さないで」
「そうですね。一度もその話をしたことはなかった。椎名課長のせいでしょ、職種転換も何もかも……見返したい?」