同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
「それなら、課長のうちに行きましょう」
「お前っ」
「……大丈夫ですよ、課長のこと食べたりしませんから」
笑いながら課長を見る。
課長はため息をついている。
「お前にはかなわない。……それだから、諦められないんだ」
そう言って、お店の人に帰ることを伝えて謝っている。
女将さんが現れて、心配そうに声をかけた。
「椎名様。いつもご利用頂いておりますのでご心配いりませんよ。よろしければ少し作ってあったモノを折り詰めさせていただきますから、元気になったら少し召し上がって下さい。当店のものは胃に優しくて食べやすいものが多いですので」