同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 そう言って待っていると折り詰めが運ばれてきた。
 
 私はタクシーを呼んでもらったので、お金を女将に渡す。
 
 「おい、吉崎」
 
 「いいじゃないですか、課長。元気になったらまた奢って下さいね。女将さんありがとうございました」
 
 女将はにっこりして暖簾をあげてくれる。
 
 課長をタクシーに押し込んで、横に座る。
 
 「課長、ご自宅は?」
 
 私の方をチロッと眺め、またため息。
 
 「いいんだな?吉崎」
 
 「……だから、具合悪い人をどうこうする趣味はありません」
 
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