同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
「吉崎」
かすれた声で私を呼ぶ。
「はい。どこにも行きません。今日はこちらでお世話になりますから安心して下さい」
私は駄々っ子のような課長を初めて見た。可哀想で帰るとは言えなかった。
嬉しそうに笑顔を浮かべる課長。胸を打ち抜かれた。何なの?
「さあ、ひと眠りなさってください。お薬持ってきますからね」
お手伝いさんがそう言うと、課長は休みはじめた。
彼女は私の背を押して、部屋を出て行く。
「もしかして、吉崎さんではありませんか?」
「え?」