同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 「今日は客間にお泊まり下さい。明日は何時頃お帰りになられますか?」
 
 「あの……いえ、特に用事は無いです」
 
 「すみませんね。英嗣様はおそらく一度目が覚めると思いますけど、心配なさらないで大丈夫ですよ」
 
 「え?」
 
 「たまに熱を出されます。いい年なのに、本当に。心因性のものだと思います。きっと吉崎さんにお話ししたらすっきりするんでしょう」
 
 にっこりと笑いこちらを見る。
 
 「ご自宅はどの辺りですか?」
 
 「実は近いんです。二丁目なんで」
 
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