同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 私のお湯を入れる手が止まる。
 
 「別れたっていうのは本当か?」
 
 嘘言ったってしょうがないか。
 
 「……はい。あっという間でしたね。もう少しもつかと思ったんですけど。遠距離って難しいんですね」
 
 私は空元気を出して笑いながら言った。
 
 「吉崎。俺にしないか?」
 
 真顔で言う。
 カップを課長が持ち上げてソファーへ運ぶ。
 
 私はその後ろ姿をぼんやり見ていた。

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