同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 「そうだったのか。おそらく篠田が職種転換したのは俺のせいだろう。自意識過剰かもしれないが……」

 「わかっているんだったら、認めてあげたらどうですか?好きで付き合っていたんですよね?」

 「そのことについては、ノーコメントだ」

 「この質問に答えられないような人とお付き合いはできません」

 「わかった。彼女から何度も告白されて、まあいいかと付き合い始めた。当時は若かったのもあるし、父の目の届かないところに行けたので、羽目をはずしたところもあった。篠田は俺に甘えるところがあった。付き合うとそれがひどくなって、何でも俺に依存するから、だんだん冷めてしまった。父からは近いうち東京へ必ず戻すと言われていたので、彼女とは大阪にいる間だけだと思っていた。彼女には申し訳なかったが、やはりそこまでだった」

 「そんな……」

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