同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「分かってるくせに、何が聞きたいのよ」
 
 「大和とより戻すんでしょ。自分から行かないとダメでしょ。課長が納得しないよ」
 
 「大和が戻ってきてからふたりで全く話す時間がまだないの。メールや電話で話すことじゃない。人のいるところで話すことではないし。お互いわかっているから、時間が出来るのを待ってる。そして、それが終わらないと課長にキチンと言えない」
 
 「そんなことないでしょ、課長には早く紗良の気持ちを言えばいいだけだよ」

 私は酔いも手伝ったのだろう。
 考えるだけで涙が出た。涙が頬を伝ってしまう。
 
 周りに見られたくないので顔を覆ってしまった。
 紀子はびっくりしたように、背中をさすってくれた。
 
 「やだ、紗良ごめん。責める気はないの。ただ、見ててちょっと課長が可哀想でさ。勘違いしている周囲もいるじゃん。二人付き合ってるとか……」
 
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