同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「ありがとう紀子」 

 「二人とも俺がいない間、紗良を支えてくれてありがとうございました」

 突然、大和が直立不動で頭を下げた。びっくりした。こんな丁寧に頭を下げるのはじめて見た。
 
 「大和。しっかりしろよ。課長に帰ってもらったんだからな」
 
 「はい」

 そう言うと、二人は手を振って帰って行った。

 「紗良、一体どうした?帰り際泣いているのを見て驚いた」

 紀子の座っていたところに腰をつけ、心配そうに私を見つめる大和。

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