同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

吐露

 
 マンションへ着いた。
 タクシーを降りると私の部屋へ向かう。
 何も話すことなく、後ろを大和がついてくる。

 鍵を開けてドアを入った。
 玄関の灯りをつける。

 大和は玄関で周りをじっと見ている。
 「お邪魔します」
 他人行儀にそう言うと、靴を脱いでリビングへ入る。

 コートも昔のように自分でハンガーにかけている。

 「トイレ借りるな」
 そう言って、出て行く。
 私は台所でお湯を沸かしながら手を洗い、紅茶を出した。

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