同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「大和がこんなに早く戻るとは思ってなかった。でも、戻ってなかったら付き合ってしまっていたかもしれない。分からないの。さみしさを異動の話でごまかして課長と付き合っていた可能性もある。異動先は興味がある分野だったし、やってみてもいいかなと思っていた。でも課長の気持ちに応えることと、結婚を視野に入れて付き合うこと、それと転籍を一緒というのはさすがに無理があるとここ最近は思ってた」


 「そうだな。俺も驚いた。課長はお前を囲い込みたかったんだろうな。ずっと告白しないでいたのも驚きだった。もっと早くお前に言っていたんだろうと思ってたから。別れを切り出されたときに紗良が課長と付き合うのは覚悟していたんだ。早く戻って略奪したかったけど、運命に任せるしかないしな。お前の最後の言葉を信じてた。俺以上の人間が現れなければ付き合わない。戻ってきても俺が紗良を好きなら、もう一度付き合って欲しいと言ってくれというあの言葉だよ」
 

 「……そう、そんなこと言ったっけ?」
 
 「言ったに決まってるだろ、忘れたのかよ?」
 
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