同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 「……大和」
 
 「いつもは気がつくとひとりで大阪のベッドに寝ているんだ。つらいんだそれが……最近は俺が病気になりそうだったよ。だから、美紀さんの病気のことを上に報告しようと決めたんだ。ふたりとも病気になったら目も当てられない」
 
 「そんな……」
 
 「俺さ、ハッキリ言ってシリアスに物事を考えたり、深く緻密に計算できるような人間じゃないんだよ」
 
 思わず笑ってしまった。
 
 「……ふふふ」
 
 「おい、なんだよ」
 
 大和のほうへ身体を向けて話す。
 
 「確かにそうだね。どちらかというと、勢い良くて全部どんぶり勘定。でも、底抜けに明るくて前向きでそれが大和のいいところだよ」
 
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