同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
大和は尊敬の眼差しを里崎に注いだ。
「すげー、里崎さん。愛の教祖みたい。里崎教って感じ……」
後ろから紀子が子供を抱いて店に入ってきた。
「何馬鹿な話してるのよ、田村」
「あ、里崎教の信者が来た」
「は?」
「今、里崎教祖から愛とはなんぞや、結婚とはなんぞやという尊い教えを授けてもらっていたとこですよ、教祖の奥様」
紀子が呆れた顔をして、ふたりを見比べている。
「サトちゃん、また馬鹿な話を田村にしたんでしょ?馬鹿だからすぐ信じちゃうよ」