同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 大和は店を出ると、紗良の姿を探した。
 
 「え?どこ行った紗良……」
 
 姿がすでに見えない。
 店は通りに面していて、左右頭を振って探したが見当たらない。
 
 「まさか、目の前からタクシーに乗ったとかないよな?」

 急に後ろから首回りに抱きつかれた。
 
 「は?」
 
 振り返ると、紗良がぶら下がっている。
 
 「ばーか。反省しろ」
 
 「紗良。やめてくれよ」
 
 大和は紗良を前に抱きしめ直すと顔をのぞき込んだ。
 
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