同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

 「そういう、本部長だって、私と交際前から結婚して、転籍させようとしてましたよね?それを囲い込むって言うんですよ」

 「俺らしくなかったな。あんなに目の前で指くわえていたのは初めてだ。実力行使に出ればよかった。今更だがな……それだけお前に本気だった」

 
 私は本部長の横顔を眺める。彼は舞台上を見ながら小さな声で話してる。


 「本部長のような素敵な御曹司は私には高嶺の花です。少し馬鹿な大和ぐらいで身の丈です」
 
 「……吉崎。俺はあの馬鹿に負けたのか?それもかなりのショックだが。営業成績でもあいつに負けるとは思えないしな」


 それを言われたら、何も言い返せない。
 
 「だから、私がその程度なんですよ。本部長にはもっと素敵な女性がいます」
 
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